滋味 康月

1983年生まれ、大阪府出身。高校卒業後、料理の道に。京都や兵庫で研鑽を積んだのち、『滋味康月』に二代目として入る。滋賀県産を中心に揃えた食材に、丁寧な仕事を施す名越氏の料理には、先代より受け継いだ熱い想いが宿っている。

琵琶湖や山など、自然に恵まれた滋賀県。山菜や天然鰻などの川魚やジビエなど、豊かな滋賀の地が育む食材を卓越した技術で独自の一品に昇華する。料理の途中に箸休めで供される“煮えばな”は、近江米が炊き上がる寸前のもの。コースの終盤にはおくどさんと土鍋で炊き上げた“白ご飯”が供され、客人の大半が滋賀県産の卵をかけた卵かけご飯とおこげで〆るそうだ。

草津駅よりほど近い、商店街の外れにそっと店を構える『滋味康月』。地下に続く階段を下りると、趣のある大きな木の扉が客人を迎える。店に入るとまず目を引くのは、重厚感のあるカウンター。その奥には炭火焼きの台と店のシンボルでもある“おくどさん”が鎮座し、存在感を放つ。骨董を中心に揃えた調度品も名店の風格を醸し出す。店の奥にはテーブルや小上がりの座敷も備えており、幅広いシーンに使えるもの嬉しい。