十皿

キーワードは、分解・再構築。たとえば魚なら、身はもちろん、その魚から出ただし汁でソースを作ってからめるなど、ひとつの素材を余すことなく使い尽くすメニューを創造。さらに、手間ひまかけたものと季節を感じる素朴な一品を挟むことで最後まで飽きることなく食べていただくためのリズムも重視しています。

十皿にとって器は欠かすことが出来ない存在です。私の生まれ育た淡路島の土や木を素材に使うことが多いです。例えば、貝やウニの取れる場所にある石や筍が生える竹林の竹が器になることもあります。そこに、ストーリーが生まれ、情景が浮かびます。いつか、その土地で食事がしたいと思って頂ければ嬉しいです

当店のワインは、お料理を格上げしてくれる名脇役です。時にはアクセントをつけ、時には調味料となります。必ずしも必要な事はありませんが、相乗効果で未知なる美味しさに昇華させてくれます。私の好きなワインに「1+1=3」といるラベルがあります。当店の料理とワインの関係はこうであるべきと考えています。